手作り食だけでもバランスの良い食事は可能ですが、それに少しトッピングを加えることで、更に栄養価の高い薬膳のような食事にすることもできます。
今回は簡単にトッピングしやすいものをご紹介します。

※特徴については全て薬膳の観点から見たものとなっています。

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すりごま

黒ごま

特徴 肝や腎を助けるスタミナ食品
主な栄養成分(可食部100g中)
脂質:52.2g
たんぱく質:20.3g
カルシウム:1200㎎
カリウム:410㎎
鉄:9.9㎎
ナイアシン:5.3㎎

黒ごまは血(*1)と肝(*2)と腎(*3)を補い、精をつけるとされています。
外皮の色素である黒ごまポリフェノールは、抗酸化力が高く若返りを促すと言われます。
血流の改善を促すのは、黒ごまに含まれるセサミンやビタミンE。これは心臓の働きを助け、便秘を解消し、骨を強化し、美肌にも役立ちます。
すりごまとして使うと吸収率が良くなります。

*1 「血」とは
漢方では体は「気」「血」「津」の3つから成り立っていると考えられています。この3つのうちのひとつが「血」で、「血」は血液と血液が運ぶ栄養の事です。

*2 「肝」とは
漢方において「肝」とは西洋医学の肝臓とは作用が異なります。
肝は気の流れを通じて感情の調整や自律神経を司どり、体全体の機能を順調に働くように調整しています。
気や血を体の中から隅々まで運び、発散する力を供給する機能を担っているのが肝です。
また気の巡りを順調に保つのも肝の役目です。

*3 「腎」とは
漢方で言う「腎」とは体の中でも重要な臓器のひとつです。
腎の働きは広範囲に及び、生殖や成長・発育、ホルモンの分泌、免疫系などの機能を担っています。そして体を循環する水分の代謝も行ないます。
腎の機能が衰えることは「精」が衰える事に繋がり、不妊、更年期障害、骨粗しょう症、健忘症、排尿のトラブルをはじめ体の他の組織にも悪影響を及ぼし免疫の低下にも繋がります。

白ごま

特徴 便通をよくする
主な栄養成分(可食部100g中)
脂質:54.9g
たんぱく質:19.3g
カルシウム:62㎎
カリウム:400㎎
鉄:6.0㎎
ナイアシン:5.3㎎

黒ごまとは品種の異なる白ごまは、油分も多く便秘の改善に使われます。
体の熱を取り皮膚に潤いを与えます。
ごまの油分は不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸等)で、血中のコレステロールを減らし動脈硬化の予防につながります。抗酸化作用の高いセサミンも多く含みます。
湿気に弱いため高温多湿は避けます。黒ごま同様、すりごまとして使うと吸収率が上がります。

きな粉(大豆)

特徴 生活習慣病の予防
主な栄養成分(可食部100g中)
たんぱく質:35.3g
炭水化物:28.2g
脂質:19.0g
食物繊維:17・1g
カルシウム:240㎎
鉄:9.4㎎

大豆は脾(*4)を養い胃腸の機能を助け、腸の働きを整えます。
血液を作るのを促し、血流を良くします。
良質のたんぱく質であり、脂質、炭水化物、鉄や食物繊維も含まれていて疲労回復にも役立ちます。

*4 「脾」とは
漢方で言う「脾」の役割は体の臓器の「脾臓」とは少し異なり、単に消化吸収だけでなく、体に取り込まれた栄養を全身に供給する働きを担っています。
この栄養素は酸素と結合して「気」となり、心、肺、肝、腎の総合的な共同作業で「気」が全身に配られます。
「血」を作る働きや、体内の水分の吸収と排泄の促進も行っており、つまり「脾」 は「気、血、津」全ての補給や運行に欠かせないものなのです。

生姜のおろし汁(生姜)

特徴 体をあたためる。強肝に。
主な栄養成分(可食部100g中)
カリウム:270㎎
マグネシウム:27㎎
カルシウム:12㎎
ビタミンC:2㎎

栄養価は低いものの、体を温めるなどの薬効をもつ食材です。
干した生姜は、乾姜と呼ばれる漢方薬でもあります。
生の生姜の香りは胃液の分泌を促し、食欲不振に一役買います。
また生姜は免疫力アップに、癌予防に、老化防止にと色々な場面で活躍します。
特に生姜のおろし汁を犬の手作り食に数滴たらすと、肝臓の働きを助け強肝に役立ちます。

かつおぶし(かつお)

特徴 体力を補う。腎を助ける。
主な栄養成分(可食部100g中)
たんぱく質:25.8g
脂質:0.5g
鉄:1.9㎎㎍
ビタミンB1:0.13㎎
ビタミンB12:8.4㎍

血と気を補い(*5)、消化吸収を助けます。
胃腸が弱っている時、体力が落ちている時の栄養補給に。
血行を促進し血栓の予防にも効果が期待できます。
生のかつおの場合、秋の戻りかつおの方がDHA、EPAが更に豊富に含まれています。
かつおぶしに加工されると発酵食品になり旨味を増し長期保存ができます。

*5 「血と気を補う」とは
体を巡るエネルギーが足りなければ補い、エネルギーが滞っているのなら巡るようにし、血液も同様に足りなければ補い体を巡るようにすることを指す漢方の言葉です。
漢方では体は「気、血、津」の3つから成り立っていると考えられており、「血」は血液と血液が運ぶ栄養の事を指します。「血」や「津(体液)」を巡らせているのが「気」になります。「気」は生命を維持し活動するエネルギーのことです。

青のり

特徴 生活習慣病予防。
主な栄養成分(可食部100g中)
カルシウム:140㎎
ビタミンC:160㎎
ビタミンA(ベータカロテン):43000㎍
鉄:10.7㎎
カリウム :3100㎎
ビタミンB1:1.21㎎

抗酸化作用のあるベータカロテンが豊富に含まれているので生活習慣病の予防に繋がります。咳や痰を鎮め腫瘍などの改善にも有効です。
のりに含まれる多糖類には高脂血症や動脈硬化の予防に役立ち、心臓の収縮力も高める効果も期待できます。
コリンも含まれているので神経細胞の伝達を良くします。

レバー(鶏レバー)

特徴 脂質が少なく栄養価は高く、貧血改善にも効果大。
主な栄養成分(可食部100g中)
たんぱく質:35.3g
ビタミンA:14000㎍
ビタミンB1:0.38㎎
ビタミンB2:1.8㎎
ビタミンB6:0.65㎎
ビタミンB12:44.4㎍
パントテン酸:10.1㎎
ビオチン:232.4㎍
鉄:9.0㎎
亜鉛:3.3㎎
葉酸:1300㎍
セレン:60㎍
モリブデン:82㎍

レバーはどれも栄養価が高い食品です。中でも鶏レバーは良質のたんぱく質でありながら、脂肪分は他のレバーより少なめです。
数多くのビタミン郡含有量も多く、さらにミネラル分の鉄、亜鉛、銅、セレン、モリブデンは群を抜いています。
レバーに含まれる栄養素は、目の健康維持、粘膜の強化、免疫アップに繋がります。
また造血に必要な栄養素が多いので貧血改善にも役立ちます。

レバーが安い時に購入し、カットして塩もみして軽くゆすいだら熱湯で火を通し、ざるで冷まして袋に入れて冷凍保存。少しずつ冷蔵庫に移し解凍できたものを時々トッピングすると無駄なく使えて便利です。

しかし、脂溶性ビタミンであるビタミンAは摂り過ぎると肝臓や脂肪に溜まる性質を持っています。
ビタミンAの過剰摂取は、 頭痛、吐き気、めまい、目のかすみ、長期間に及ぶ過剰摂取は、関節や骨の痛み、皮膚の乾燥、脱毛、食欲不振、体重の低下、肝障害などの症状が現れることがあります。

日本の厚生労働省の人の一日のビタミンAの推奨量は次の通りです。


参考 厚生労働省

人より体重の軽い犬の一日の推奨量はもっと少なくなります。
ビタミンAは取り過ぎると過剰症になる可能性もあるので、トッピングとして使うのなら少量を週に1~2回与える程度にして下さい。

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エキストラバージンオイルはじめ各種植物油

オイル類はトッピングに使えて犬のエネルギー源にもなり、体の代謝機能に欠かせない脂肪酸を含みます。

その脂肪酸の中のリノール酸や γーリノレン酸を代表とするオメガ6系やEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)等のオメガ3系は、人も他の動物も、必ず必要な栄養素でありながら体の中で合成することができず、外から摂取するしかありません。

特にオメガ3系は不足しがちなので積極的に摂り入れるようにしたいものです。

オメガ3系の主な作用
アレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制、血管拡張など

オメガ3系が多く含まれる食品
亜麻仁油、えごま油、チアシードオイル、ヘンプシードオイル、青背の魚等

加熱していない植物油はそれぞれ脂肪酸の種類も栄養素の割合も違うので、偏ることのないように日によってトッピングするオイルの種類を変えるなどして少量トッピングすると良いでしょう。
オレイン酸やビタミンE、ビタミンKの多いエキストラバージンオイルもおすすめです。

加熱していない植物油は、ドッグフードだけ、あるいは手作り食とドッグフード混合食の場合も特に有用です。

というのも、乾燥したドッグフードの原材料のうち、脂質が一番早く酸化して腐敗していきます。
酸化した脂質を体外に排出するにはピュアな生の植物油がとても効果的なのです。
ドッグフードを使用する際は、植物油をかけるのをお決まりにしても良いと思います。

少しでも犬の手作り食のご参考になれば幸いです。

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